東京懐かしの昭和30年代散歩地図
実業之日本社
ISBN:4408007951
(2005/1/31)
別に紹介した「古地図・現代図で歩く昭和30年代東京散歩」と同工異曲の企画で、左右に現代の地図と昭和30年ごろの写真を配したページがメイン。とはいえ旅行ガイドブックで実績のある版元だけに、昭和30年代の(いまからみればレトロな)都心各所の写真に加え、当時の世相をあらわすポスターや商品の紹介などもまじえ、ツボをおさえた楽しい仕上がりとなっており、より幅広い層の読者に向いている印象。
たとえば、全盛時代の都電のルートと現在の大江戸線の関係などが手にとるようにわかり、思わず実地に現地を歩いてみたくなる。
大判の書籍のわりには軽量で、実際の散歩のお供にもまずまずだろう。
東京の戦前 昔恋しい散歩地図2
アイランズ 編著; 草思社
ISBN: 4794213506
(2004/10)
すぐ下の「東京の戦前 昔恋しい散歩地図」の続編。底本としている地図は前作と同じ「ポケット大東京案内」で、「前回泣く泣く掲載を見送った地域」(版元のコメント)が集中的に追加されている。
具体的には、「新宿」「両国」「板橋」「王子」「品川」「蒲田」、さらに完全に郊外に出て「中野」「杉並」「三軒茶屋」「駒沢」、さらに「横浜」「鎌倉」「浦和」「高尾山」まで足を伸ばす構成。東京都心部に比べてはるかに情報が不足している外郭地域に踏み込んでいる点でユニーク。
前作が気に入ったというかたや、「こちらなら自分が住んでいる足元の地域が掲載されている」というかたにはおすすめ。
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古地図・現代図で歩く昭和30年代東京散歩
古地図ライブラリー(別冊)
人文社編集部(編集)
ISBN:4795912963
(2004/8)
[未読]
「東京オリンピック」を境に大きく変貌した東京の都市景観を、それ以前の地図と現在の地図とで比較。
ベースとなっている古地図は昭和31年のもの。
東京の戦前 昔恋しい散歩地図
アイランズ 編著; 草思社 ; ISBN: 4794212801 ; (2004/01/25)
昭和1ケタ時代(昭和6年刊行の「ポケット大東京案内」)と現在の地図とが左右にレイアウトされ、比較対照できる東京散歩地図帳。 22の「散歩コース」単位で、地域ごとのみどころやエピソードも豊富に紹介されている。前半はほとんどが神田川・日本橋川近辺に相当する。
見開きで並んだ新旧地図の縮尺や向きが微妙にずれていて感覚がつかみにくいのと(そういう面ではやはり江戸明治東京重ね地図は理想的だ)、掲載範囲が「散歩コース」単位=都内全域ではなく、「みどころの多い地域」に絞られる=のが難点だが、土台となっている「ポケット大東京案内」のすばらしさ(繁華街、飲食街、名所旧跡などが細かく描かれ、非常に生活感あふれたもの)がそれらを補ってあまりある。
というわけで[おすすめ]マークをつけちゃいました。
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古地図・現代図で歩く昭和東京散歩[戦前]
古地図ライブラリー(別冊)
人文社編集部(編集)
ISBN:4795912947
(2003/12)
昭和16年の「大東京三五区詳細図」から都心部(のべ22区)を抜き出し、左ページに当時の地図(8000分の1)、右ページに同縮尺の現在の地図を並べたもの。巻末には巻頭大震災の火災図、戦災による焼失区域地図なども収録されている。
ほぼ同じ趣向で昭和6年の地図を用いた草思社刊「東京の戦前 昔恋しい散歩地図」も同時期に出版されたが、そちらが「情緒」に重きを置いた作りで、「索引地図」の不備、縮尺の不一致などが目立つのに対し、こちらは非常に手堅い作り。過去・現在の地図の縮尺や角度はきっちり一致しているし、地図はあくまでも鮮明。「読み物」ではなく「机上において使う資料」としての実用性・使い勝手・完成度はずっと上という感じだ。
ただし、「歩く」「散歩」などとタイトルにうたわれているわりに物理的にはかなり重く、「実地の散歩のお供」に持ち歩くのはちょっとつらいかもしれない(昔恋しい……のほうがずっと軽い)。
まあ、使用されている地図の年代が10年違うし底本となった地図の雰囲気もかなり違うので、こういう本が好きな人にはどちらも「おすすめ」ではあるのですけど。
★おすすめ★
古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩
古地図ライブラリー(別冊)
人文社編集部(編集)
ISBN:4795912939 (2003/10)
[未読]
人文社の古地図・現代地図対照シリーズのひとつ。明治40年編纂「東京市十五区番地界入地図」がベース。
昭和30年代懐かしの東京
正井泰夫
監修,
平凡社 ISBN4582443095 2001/9 1,300円
今考えればまさに「古きよき時代」であったかもしれない昭和30年代=戦後の混乱を乗り越えた一方で、まだ東京オリンピック以後の都市大改造が始まる前の東京にスポットをあてた散歩ガイド。
当時と現在の写真・地図がおりまぜられており、本そのものは大変興味深い仕上がりだが、この本を片手に実際に街を歩いたら、あまりの変貌ぶりにため息ばかり出そうな気もする。
新編 昭和二十年東京地図
筑摩書房 ちくま文庫 ISBN4480026347
文・西井一夫 写真・平嶋彰彦……の著者コンビによる2冊の本、1986年『昭和二十年東京地図』、1987年『続・昭和二十年東京地図』を再編集・文庫化したもの。古地図のカテゴリーで紹介している『東京都35区区分地図帖』をベースに実際に都内各所を歩き、当時の残影やその後の街の変遷を取材した好ルポルタージュ。