東京時代MAP―大江戸編
副題:Time trip map -現代地図と歴史地図を重ねた新発想の地図-
光村推古書院 編集:新創社
ISBN:4838103573 (2005/10)
古地図の上に半透明の現代地図を重ねて見られるように工夫した新発想の歴史地図。同じシリーズで「京都時代MAP 幕末・維新編」「京都時代MAP 安土桃山編」がある。
同じことをPCの画面上で実現した「重ね地図」シリーズの書籍版、というところなわけで、個人的には正直、あまり新鮮味は感じなかった。参考用にときどき見るかもしれないけれども……。 (逆に、京都の安土桃山編は類書がないぶん魅力的ですね)
江戸散歩・東京散歩―切り絵図・古地図で楽しむ、最新東京地図で歩く100の町と道
成美堂(Seibido mook)
ISBN:4415101399
(2005/2)
「江戸時代に思いをはせながら現代の東京を歩く」という前提に極めて素直に作られた、実際に持ち歩くのに向いた雑誌(ムック)スタイルの東京タウンガイド。都内各所の歴史的見どころ、老舗の味どころなどがぎっしり紹介されており、誌面は大変にぎやか。内容の鮮度が高い間はおすすめでしょう。
三層・江戸明治東京重ね地図
エーピーピーカンパニー発行、丸善株式会社発売
ISBN:4901441302 (2004/08)
・amazon.co.jpでこの本の情報を見る
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2001年に登場して話題になった「江戸東京重ね地図」のパワーアップ版。前作も引き続き販売されているが、今から買うなら(かつ、お使いのPCの仕様に合致するようなら)文句なしにこちらがおすすめ。
前作は画面解像度が800×600固定だったが、本作では高解像度のディスプレイならそれだけ広範囲の地図を見渡すことができ、機能・内容もさることながら見易さが雲泥の差。
ただしソフトウェア提供媒体はDVDなので、DVD-ROMの読み出し対応ドライブが必須。対応OSはWindows2000,WindowsXP。HDDに5GBの空きスペースが必要……など、要求スペックは少々高め。裏を返せば、それだけの中身がつまっているということでもある。
ただし、増補された部分に若干のミス(地名の位置関係、表記などなど)も散見されるのが少し残念。
主なパワーアップ点
・従来の「安政3年」「現代」に加え、明治40年前後の時期の実測地図をオーバーラップできるようになった。
・掲載地域が足立・葛飾・目黒・世田谷・大田・品川の各エリアにも拡大。
・江戸地図は「河岸名」と町内由来解説(3,000ポイント)を追加。 道や川の情報を大修正。
・5段階の拡大率(1/32,000~1/2000)。
江戸の町並み景観復元図 御府内中心部
内外地図 図:立川博章 監修:竹内誠、吉原健一郎
ISBN:4990186206 (2003/12)
江戸の町並み景観復元図 御府内上野・浅草周辺
内外地図 図:立川博章 監修:竹内誠、吉原健一郎
ISBN:4990186214 (2004/07)
東宝で黒澤作品や「ゴジラ」シリーズなど約50本にのぼる映画の美術を担当、近年は「六本木ヒルズ」のパース画も手がけたという都市図製作の第一線プロフェッショナルである著者が、緻密な考証と驚異的な根気で描きあげた幕末の江戸都心部一帯の細密な鳥瞰図。好評の第一弾からそれほど間をおかずに続編の「上野・浅草周辺」も刊行された。
大判の本だが、それでもきちんと観賞するにはルーペが必需品。幕末の古写真、現代の地形図、その他使えるありとあらゆる資料を駆使したリアル感と正確さはほとんど人間ワザとは思えないほどだ。
強いて難点を言うならば(むろん、ないものねだりだが)人や車・舟などの気配が少なく、ひっそり静止したまま「もぬけの空の江戸遺跡」みたいな寂寥感がただよう点と、表紙のデザインがいまいちアカ抜けない点だろうか。
大江戸透絵図(おおえどすかしえず)
千代田区コミュニティ振興公社
ISBN: 4902272008
(2003/07)
「江戸開府400年」記念事業として刊行されたもので、ベストセラー「江戸東京重ね地図」の千代田区限定版CD-ROM(Windows対応)つき。書籍本体は下記の2部構成となっている。
・今に生きる江戸文化400年=カラー刷(関係のエッセイ、対談なども併録)
・千代田区町名由来事典=1色刷
千代田区について詳しく調べたい場合には役に立つが、重ね地図部分はオリジナル版、もしくは明治時代の地図もプラスされた最新版「江戸明示東京重ね地図」のほうがおすすめ。
音で巡る名優・名人・名舞台
江戸/東京芸能地図大鑑
エーピーピーカンパニー
ISBN: 4901441337 (2002/12) 15,800円
「江戸東京重ね地図」のアイデアを基礎に、テーマを「江戸・東京の芸能」に絞って発展させたCD-ROM本。
テーマを芸能に絞り、エノケン、松井須磨子、古今亭志ん生……など、あまたの名人の貴重な録音を収録した「音で聴く資料集」の色合いが濃いようだが、地図にメモを書き込む機能が追加されるなど、「重ね地図」を土台とした新機能も加わっている。
※この本については、版元より直接刊行のご案内をいただきました。ありがとうございます。
詳細説明ページ(丸善)
江戸東京重ね地図
―CD-ROM BOOK for WINDOWS
中川惠司編、吉原健一郎・俵元昭監修
エーピーピーカンパニー発行、丸善株式会社発売
WindowsXP対応版 ISBN4901441205
オリジナル版 ISBN4901441000
安政3年(1856)の江戸と現在の東京の地図を重ね合わせて表示できる(双方の濃度は自在に調整可能)という、江戸・東京の歴史や東京の地理に興味のある人にはとにかくオススメのWindows対応地図ソフト。
このソフトを駆使して中世の江戸・農村部の条里の痕跡について学術的に貴重な発見をした人がいらっしゃった、と新聞で読みました。まさに使い方は読者次第、というところでしょうか。
※2004年8月、明治時代を加えた発展版「江戸明治東京重ね地図」発売。少し価格がアップするけれど、今からの購入にはこちらをおすすめ。
切絵図・現代図で歩く江戸東京散歩
古地図ライブラリー (別冊)
人文社編集部
人文社 ; ISBN: 4795912904 2002/06
人文社の古地図・現代地図対照シリーズの第1弾で、現代と過去の左右対照地図というシンプルな構成がうけて、1年で8万部を売り上げたという大ヒット作。
古地図ライブラリー (3)
広重の大江戸名所百景散歩 江戸切絵図で歩く
堀 晃明・著
人文社 ; ISBN: 479591902X ; サイズ(cm): 30
ゴッホが模写したことなどでも知られる広重晩年の傑作「名所江戸百景」全作品をカラーの大画面で収録、描かれている題材、当時の世相などについてもわかりやすく解説されており、描かれた場所や方向なども切絵図や現代の地図で明確に示してある。力作。
嘉永・慶応江戸切絵図で見る幕末人物・事件散歩
古地図ライブラリー〈2〉
人文社第一編集部
人文社 ; ISBN: 4795919011 1995/10
切絵図復刻版のシリーズ第2巻、黒船来航、雪の桜田門、大政奉還……など、幕末の主要な出来事とその舞台となった地点とを対照することに主眼が置かれている。
嘉永・慶応 江戸切絵図〈1〉―江戸・東京今昔切絵図散歩 尾張屋清七板
人文社(古地図ライブラリー) ISBN:4795913501 1995/04
人文社の「古地図ライブラリー」シリーズ第1弾。幕末期の江戸切絵図と現代の地図とを見開きで比較対照できる構成。注目地点の解説も充実している。
原典そのままの切絵図が使われているため、最近の「重ね地図」「古地図・現代図で歩く」などのシリーズと違って新旧地図の縮尺は一致しないが、切絵図の独特の雰囲気が楽しめる、という面ではむしろこのタイプの本のほうに軍配が上がる面もあるだろう。