地下からあらわれた江戸
古泉弘 著
教育出版 ISBN: 4316358804 1500円 2002/6/6
「江戸の穴」と同じ著者による、江戸の近世考古学の成果を一般読者にもわかりやすく解説した本。「江戸を掘る」を再度まとめなおしたような内容。
図説江戸考古学研究事典
江戸遺跡研究会 編
柏書房 ISBN4760120459 12000円 2001/4/25
「四半世紀の発掘・最新結果を網羅」した、基礎資料として極めて貴重なボリュームたっぷりの本。発掘現場や出土物など、カラー図版も豊富。
★研究用には超おすすめ。
江戸の穴
古泉弘 著
柏書房 ISBN: 4760105891 1554円 1999/11/22
火事が多かった江戸では、万一の際に家財を守る(投げ込んで砂で埋めておく)ために、大名や商人が多数の「穴蔵」を建造していた。つまり東京は、江戸時代からすでに地下空間の活用が盛んだった街だったということになる。
本書はこの江戸の穴蔵の発掘体験をベースに、構造、分布、その他穴蔵にまつわるエピソードが綴られた大変ユニークな内容。下町=低湿地と山の手=台地で穴蔵の作り方がまったく異なり、前者は船大工の工法が生かされていることとか、昭和に入ってからお茶の水付近で見つかった穴をめぐる騒動など、単純に「雑学のネタ」的に読んでも十分楽しめるエピソードが盛りだくさんな内容。
※近年の神田川沿岸での遺跡調査でも、穴蔵は続々と発掘されているようです。個人的には日本橋遺跡(日本橋東急デパート別館跡地)を見学した際、がっちりした木造の穴蔵が多数並ぶ光景に強い印象を受けました。
江戸城外堀物語
北原糸子 著
筑摩書房 ちくま新書209 ISBN4480058095
660円 1999/7/20
営団地下鉄南北線工事に伴う発掘調査記録をもとに、寛永13年の江戸城外堀普請の実態を探る。
大名が分担した石垣建築の細部の話し、四ツ谷の玉川上水遺構関連の記述など、興味深い話がいろいろ。
江戸を掘る ~近世都市考古学への招待
古泉 弘 著/柏書房 ISBN: 4760102310 1600円 1990/11
江戸の考古学研究加速のきっかけとなった東神田・一橋高校の発掘調査(工事中に人骨が出たことが発端だそう)をベースにまとめられた本で、後の「江戸の穴」「地下からあらわれた江戸」につながる内容。
特に「地下からあらわれた江戸」の内容とは重複が多いが、初期の研究成果をまとめたものだけに、調査にあたった当事者の感動もひとしおだったことが察せられ、そのぶん臨場感に富んでいて楽しく読むことができる。